美術品こぼれ話

「おひさま」の舞台

NHK朝の連続テレビ小説で放映中の「おひさま」。物語の舞台となっている信州・安曇野の美しい風景が毎回、登場します。気高い北アルプス、清らかな湧水、のどかに広がる田畑、点在する道祖神。観光地として多くの人が訪れ、また風景画の画題としてもよく描かれる場所です。

ところで、安曇野がこのように注目されるようになったのは、実は比較的新しくて、戦後、小説やラジオドラマの舞台となってからのことです。そもそも「安曇野」という名前も、昔は「安曇平」(あずみでーら)というのが一般的でした。

現在開催中の「百花繚乱」展には、この「安曇平」の風景画が展示されています。茨木猪之吉《初夏の常念岳》(1935年・昭和10年制作)です。

茨木猪之吉は、あまり有名な画家ではありませんが、静岡県出身で、信州に移り住んで山岳画家となった人です。この作品は、現在、無数に描かれている安曇野風景画の原型のような絵です。

どのような場所や風景が、「名所」として画題になるのか。そこには、今も昔も、出版や放送などのマスメディアが、大きく影響します。「おひさま」もまたその一例なのかもしれません。

「百花繚乱」展では、《初夏の常念岳》以外にも当館所蔵の「名所絵」がたくさん展示されています。描かれたそれぞれの場所の歴史に思いをはせてみるのも、一興でしょう。展覧会は5月15日までです。

作れちゃう

ドット若冲<鳳凰の巻>完成!!!

昨日に引き続き色塗りは続きます。

「夕方までに間に合うかな?」不安な気持ちで2日目をむかえましたが、昨日でコツをつかんだ方が多く、驚くほどのスピードで色が丁寧に塗られていきます。白い羽の中に、子供たちはかすかに見えるように白い動物達を描きました。

「全部塗れたぞ!」いよいよみんなで8000枚のピースを持ってエントランスへむかいます。

先週行われていた「ちょこっとドット若冲」に参加してくださった方々も見に来てくださり、期待は高まります。

「さぁ、並べるよ~!」

「あ、番号間違ってる!」「並んでみると大きいね」「なんだか少し曲がってる~!」

1枚1枚、丁寧に並べます。

完成図はこちら。

大きい!!若冲さんもきっとびっくりの仕上がりです。

色塗りに疲れた顔が、達成感いっぱいで笑顔にかわりました。みなさん、本当にお疲れ様!!

「みんなでドット若冲」参加者のみなさん、それから、一番上の木の部分を一人1枚塗ってくださった「ちょこっとドット若冲」参加してくださった300名以上のみなさん、本当にありがとうございました。

5月15日(日)まで、美術館のエントランスホールに展示されます。(N.S)

作れちゃう

みんなでドット若冲!<鳳凰の巻> 始動!

「ちょこっと若冲」では300名以上の方に、ピースを塗ってもらいました。残るは、約7,700ピース!!今日と明日、若冲大好きを自負するイベント参加者達が班ごとわかれて塗っていきます。

まずは、全員で《樹花鳥獣図屏風》の解説を聞きます。「本物はすごい!!」という高校生の声が聞こえました。ん~、この中の一扇を描くんだよ~。

続いて、班分けをしてスタート。まず、ピースがばらばらにならないように裏面に指定された番号を書きます。これでピースの場所が確定します。そして、鉛筆で色が変わる境界線を描き、色を作って着色。「なんか、色が違う」、「丁寧なのはいいけど、終わらない」などなど班ごとに進め方や分担も考えてもらうのが、このイベントの重要な要素。早速、班の個性が出始めました。

5月1日(日)の午後から、当館エントランスに展示を始めます。間に合うかな?どんな出来栄えになるかな?と、参加者は胸を高鳴らせて本日の作業終了を迎えました。M.S

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今日は絵の具開放日

本日は、今年度第1回目の絵の具開放日でした!

天気にも恵まれ、本日は午前・午後とも定員いっぱいの参加者となりました!!

当館の名物のひとつとも言える絵の具開放日。

洗うと綺麗に落ちる水性絵の具をふんだんに使って、屋外テラスで絵の具遊びをしていただきます。

本日も開館前から行列ができていました。暑い中お待ち下さいました皆さん、ありがとうございました。

子どもの日が近いので、カラフルな鯉のぼりが大量に出現しました。

絵の具開放日は、月に一回程度のペースで開催しております。

これからの季節は日差しが厳しくなりますので、熱中症対策を万全にされた上でご参加ください。

お待ちしています!

(M.F)

美術品こぼれ話

草間彌生《水上の蛍》 水換え作業

当館コレクションの中でも人気の高い《水上の蛍》。その名の通り、床には水が張ってあり、水鏡となっています。

床を鏡面にするために水を用いる理由のひとつは、継ぎ目のない完全な水平面が比較的簡単に作れることです。もしこれを人工で作ろうとすれば、最先端の工業技術をもってしても容易ではないでしょう。水面は水平であるという当たり前のことが、逆にすごいことなのだと思ってしまいます。

また、人がこの作品の中に入ると、かすかに水がゆらぎます。水面が動くと、上下前後左右6面すべてが合わせ鏡になっているこの部屋の中全体の景色が、微妙に動きます。そのとき、何か作品が息づくかのような感覚をおぼえます。これもこの作品があえて水を使っている理由の一つでしょう。

さて、この床の水には防腐剤などの薬品は一切入れていませんので、しだいに濁ってきます。そこで定期的に水を入れ換える作業をしています。

水をかき集めながら、ポンプで吸い出していきます。水深は、実は約6cm程度の浅さです。見た目では深淵のようですが。

ホースをのばして、近くのトイレの排水口へ流します。

排水、清掃、給水に約4時間かかります。中で作業していると、くらくらしてきます。けっこうな重労働です。この作業は休館日に、作品の点検を兼ねて学芸員とボランティアで行っています。

 

床面の防水シートをきれいに拭いて、新しい水を入れます。少しずつ水が広がっていくのを、ぼーっと眺めているのは、なかなか至福のときです。

 《水上の蛍》の今年度の展示は、現在開催中の「百花繚乱」展が終わるまで、つまり5月15日までです。大学生以下は無料で観覧できます。お見逃しなく。