作れちゃう 観れちゃう

8/4 わくわくアトリエ「切り絵ワークショップ・見つめて作ろう花と虫」

1トップ
8月4日に「熊谷守一 いのちを見つめて」展関連企画として、わくわくアトリエ「切り絵ワークショップ・見つめて作ろう花と虫」が行われました。講師には、静岡県出身の切り絵アーティスト、福井利佐さんをお招きしました。福井さんは、国内外を問わず数多く個展を開催され、講座やワークショップなども精力的に実施されています。当館でも毎年、展覧会の内容に合ったユニークなワークショップのアイデアをいただいており、今年も、切り絵を通して熊谷守一の作品を身近に感じることができる、楽しいワークショップが開催されました。

2泰井さんトーク中
はじめに、展覧会担当の泰井学芸員とともに作品を鑑賞しました。当日は親子連れの参加者が多く、熊谷守一の作品を初めて目にする方もいらっしゃいましたが、作家がとりわけ愛したとされる「花」「猫」「鳥」「虫」をモチーフに描かれた作品の前では、その優しい雰囲気に、お子さんと一緒に楽しそうに見入っている姿が見られました。また大人の方からも、この鑑賞時間を経てより深く熊谷守一の世界観に浸れたという声をいただきました。

3デザインカッター練習

実技室に戻り、早速、制作に取りかかりました。まずは、切り絵の技法の基本となるカッターの使い方から練習しました。カッターを使う時は自分のおへその方に向かって刃を進めること、切る方向は必ず一定にして紙を回しながら切り進めること、刃の進行方向に手を置かないこと等々、安全に上手く切るための約束事を教わりました。

4親子で練習
小学校低学年の子どもは、カッターを使用すること自体が初めての経験のため、講師やスタッフ、保護者の方のサポートのもと、使い方を身につけます。最初は上手く出来なくて当たり前ですが、作品が仕上がる頃にはずいぶん上達していることに、毎回驚かされます。

5作品の作り方
つづいて、福井さんが用意してくださった「犬」の作品を参考に、作り方を教わりました。今回は、熊谷守一の作風からヒントを得て、くっきりと輪郭線を残すために、モチーフを面でとらえるアイデアをご提案いただきました。輪郭線も「モリカズ様式」に見られる赤茶系の色に統一することで、それらしい作風を目指します。赤茶系の色紙からモチーフを面で大きく切取り、その上にパーツや模様を貼付け、地の色(赤茶の輪郭線)を残すスタイルで制作しました。

8スケッチ

まずはモチーフのスケッチから始めました。通常、作品保護の観点から、美術館内に生き物や生花の持込みは禁止されていますが、この日は、1日限り実技室限定という約束で、スタッフの管理のもと、本物の「花」と「虫」が実技室にやってきました。

7カブトムシ

今回の花形モデルは、夏休みといえばのカブトムシ&クワガタムシ。思惑通り、子どもたちに大人気でした。ちなみにワークショップの数週間前からスタッフが自宅に持ち帰り大切に世話をしていたこともあり、当日も元気に活躍してくれました。

7クワガタ
蝉の抜け殻を拾い集めてくれたスタッフ、ひぐらしの標本を持ってきてくれたボランティアさん…身近な夏の生き物が色々集まりました。

9せみ
午前の回は女の子が多かったせいか、蝶の標本も大人気でした。図鑑も用意していましたが、やはり本物の存在感には適いませんね。

???????????????????????????????
熊谷守一の作品に描かれている、ヒマワリやユリの花も用意しました。釣鐘型のオレンジの花(サンダーソニア)は熊谷作品には描かれていませんが、皆さんが好んで作品に取り入れていました。

10花

12輪郭なぞる
スケッチができ次第、輪郭線をマジックで太くなぞっていきます。

13輪郭完成
上の画像は、輪郭線を全部なぞり終えたところです。カマキリと太陽でしょうか。夏っぽくて良い感じです。

14色紙選ぶ
たくさんの色紙を前に考え中…。今回、右端の水色と黄土色の色紙は切り絵を貼りつける台紙として用い、赤茶系の色紙は輪郭線を表すのに用いました。福井さんからのオーダーで、色紙も熊谷守一の作風を意識して選びました。

15輪郭切取り
輪郭線に使いたい色紙が決まったところで、下絵と重ねて絵の外側をカットしていきます。

16貼付け2
切り抜いた蝶より一回り小さいサイズで羽の模様などを貼りつけていくと…

16貼付け

熊谷守一の作風を感じさせる、素朴で優しい輪郭線が現れました。

17出来てきました

皆さんの作品が出来上がってきました。本物を見ながらスケッチしたこともあり、生き物の表現に動きが見られました。右端のカブトムシの作品なども、斜め横から見ている感じや、足の曲がり方、雰囲気が良く出ていますね。

19午前の部完成2
画面の中で花と虫を上手に組み合わせて、素敵なシーンを作ってくれたお子さんもいました。

20午後の部完成
こちらは午後の回の作品です。なぜか午前の回よりカラフルな虫がたくさん登場しました。今回のワークショップを通して、福井さんが「小さな子どもが作った作品ほど、熊谷守一っぽい雰囲気に仕上がっている」と感想をもらしていました。子どものようなピュアな感性を持っていないと辿り着けない作風なのですね…。皆さんの作品も一点一点に個性が感じられ、とても見ごたえがありました。夏休みの思い出として、ご自宅に飾っていただけたら嬉しいです。そして、このブログを読んで熊谷守一の作品に興味を持った方、ぜひ展覧会にご家族で足をお運びください。身近な動植物が描かれた作品は、小さなお子様と一緒に楽しんでいただけると思います。
※「熊谷守一 いのちを見つめて」展 会期:8/2(金)-9/23(月・祝)